GIGAZINEの記事に「企業の独占に対抗するためオープンソースで「種」が開発されている」というものが上がっていました。日本でいうところの育成者権(種苗法)によって一部の企業に種子が独占されているのに対抗して、種子の自由な利用と発展を目指すという意味でオープンソースなのかと思います。
一方で、記事によれば「OSSIと契約を結んだ種苗生産者は自分たちが開発した種子をOSSIに登録することになり、OSSIに登録された種子は購入すれば誰でも好きなように使えます。」とあり、何等かの機関に帰属したり、購入したりすることを前提としている点では、ソフトウェアでいうところのオープンソースとはやや異なるようです。
この違いは、権利の方式主義と無方式主義の違いから現れている可能性があるかと感じました。特許や育成者権は、出願や登録といった「手続」によって権利が発生する方式主義と呼ばれる制度です。したがって、自由利用とはいえ第三者に不当に種子を利用されないようにするためには権利の確保が必要な場面もおそらくあり、管理機関などで登録を図る必要があるのでしょう。一方で、ソフトウェアの保護根拠である著作権は、創作(制作)と同時に事前発生的に権利が生じる無方式主義という制度です。したがって、権利も特段の手続を要さずに主張でき、ルールさえ決めておけば自由利用を広めやすいということもあると思います。